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映画、ときどきその他の鑑賞ログ

Michael / マイケル

 

 製作発表時からとても楽しみにしていた『マイケル』を観てきた。
 『ボヘミアン・ラプソディ』の製作陣がホイットニー・ヒューストンもののとき同様に関わっているとのことだけれど、時系列など話の持っていき方含めて、構成はなんとなく『ボヘミアン〜』を彷彿とさせる。本作のマイケルの描きかたはドキュメンタリーではないのだし「誰もが観たかった彼の姿」なのだろう。
 マイケル・ジャクソンは、自分の場合 ソロ活動の「オフ・ザ・ウォール」の頃から晩年のさまざまなゴシップまでほぼリアルタイムである程度観てきたけれど、映画はそんなことを知らなくても十二分に楽しめる。
 なによりライブ/ステージや「スリラー」一連のMVシーンの再現ぷりがひいき目抜きで、抜群に素晴らしい。やっぱり歌も踊りも、MTVの時代に適合したメガスターだけあって、その辺はうまく持って行きやすいのかもしれないけれど、それらを見事になまでに再現してみせてくれたジャファーあってのものだ。彼のダンスだけでも観る価値はあると思うし、エンドクレジットまでしっかり聴かせる(劇中音源はたぶんほぼマイケルのものかなと)。
とにかく音のよい劇場で観ることをおすすめします。

(追って追記予定)

 

たまのぽつり

ようやくここのブログも年を明けた。
年明けというかすでに新年度も近いのであるが。
書きたいことを思いついてもなかなか口火が切れなかったので
時間を見つけてもう少しメモりたい。

BBDは観るべき映画であるけれど、
なにが気分が悪いって書いたとおり。
あの場面は特にいたたまれなくなった。
直近の出来事にもあまりにも無様すぎて
いたたまれない言動を目にしたばかりだが。
世の中どうなるのか不安は尽きないこの頃
何事もなく映画を観たり音楽聴いたりして
自分の見知らぬ世界に思いを馳せるという
フツーの暮らしを営みたいだけなのに。
あまりに気が散ることが多すぎて
なかなか楽しめないのが本音である。
基本は平和であることが一番なんだと身にしみる。

Black Box Diaries

 映像ジャーナリスト伊藤詩織さんによる、自身が被った性暴力に対して訴訟を起こした闘いの日々の記録。
 訴訟の件は報道などで追っていたつもりだったが、被害者たる伊藤さんが数々の嫌がらせに苛まれながらここまでしなくちゃいけないことに腹が立ち、そしてここまでして勝ち取った裁きをもってしても、その相手は屁の河童のごとくに振る舞い、先だっての選挙運動中にも暗躍していたなどいまだ蠢いていることに腸が煮えくり返る。

 作品冒頭で裁判で争うことを伝えられた伊藤さんの家族は、顔を出して公表してほしくないと伊藤さんに対して伝える。それはこれから彼女が受けるであろう様々な仕打ちでこれ以上彼女に傷ついてほしくないという想いからだろうけれど、いずれ家族は彼女の気持ちを理解し文字どおり寄り添い、裁判への協力者も一人二人と現れるが、伊藤さんのことを知りもしない中傷するだけの赤の他人も湧いてくる。性暴力を受けたならその人は誰の目にもふれないよう独りきりで泣き寝入りすることしか許されないのか。「被害者はそうあれ」とまわりが強いてどうする?!加害者の男や有象無象にムカつくのは言わずもがな、裁判所から出てきた伊藤さんに近寄ってわざわざ罵声を浴びせた女性には見ていて一番憤った。いつの時代も物言う女性に対して常識的に信じがたい理屈で難癖をつけては口汚く罵る同性が一定数いるのはなぜなんだ? 憂さ晴らしのつもりなのか?恥ずかしい。

 オスカーノミネート時に報じられた元代理人の方とのトラブルに関しては言い分に食い違いがあるようだけれど、こういった内容であれば「共闘」で合意していたならば、今でさえ十分力のある作品ではあるけれど、ひょっとしてもっと世に揺さぶりをかけるような強力な作品となったのではないかとそこは残念に思う。

原題:Black Box Diaries 監督:伊藤詩織 2024年製作
(ドキュメンタリー)

2026.1.25鑑賞 @kino cinema新宿

 

国宝

 任侠の家に生まれながらも天賦の才を認められ上方歌舞伎の家に弟子として引き取られた美貌の青年と一門宗家の御曹司として生まれた青年が互いに切磋琢磨するという吉田修一の原作映画化作品。最初は鑑賞予定になかったのだけれど、歌舞伎評などよく拝見しているかたが公開直後早々に絶賛していたので、それなら、と行ってみた。
 3時間超えの長尺も間延びすることなく集中してみてしまった。自分も歌舞伎は年に何度か観に行くほうなので少しだけ馴染みはあるつもりだったけれど、観ながら思ったのは「たぶん松竹が配給なり製作なりに関わっていたならここまでは描けなかったのでは…」ってことだった、僭越ながら。歌舞伎の家に生まれて本作で一門の女将を演じている寺島しのぶさんや、原作のオーディオブックで読み手を務めている、しのぶさんの実弟で歌舞伎役者の尾上菊之助(現八代目菊五郎)さんが「実際にはまず有り得ない」と断言する(一般家庭の出身でいわゆる部屋子である)喜久雄の出世ぶりはおいといても、それらにまつわる役者のスキャンダラスな私生活の一面や(昔は芸能ゴシップニュースでももっと見かけた気がする)、また女将がこだわる血筋優先の考え方にしてもおそらくリアルに生臭いと思うので、実際の歌舞伎興行に関わっている松竹が絡んでいたら何かしらの余計な先回り自粛が働いてもおかしくなかったのではと思ったり。だから東宝が配給で良かったと思う(製作はソニー)。
 あと、主演の二人の歌舞伎役者としての芝居が本当にびっくりするほどよかった。粗探しをしようと思えば突っつけるところもあるのだろうけれど、出し物を演じる歌舞伎役者を、普通の役者の二人が劇中の芝居をしながら演じているのだから、お稽古の準備期間1年半とかであそこまでできるのは本当に感嘆ものだと思う。本職の歌舞伎役者さんたちが観たらどう見えるのかな?と思っていたけれど、團十郎さんはじめ多くの歌舞伎役者さんたちが実際に劇場でこの作品を見て絶賛を送っていたことに、やっぱりそうなんだなあ、とほっとしたのだった。
 原作は未読だけど、映画脚本には当然端折られているエピソードもあるそうな。でも、個人的には今回の作品は非常に楽しめたし、もっと多く撮られていたという舞台シーンも可能であれば完全版が観たい。特に田中泯さんの「鷺娘」とか。唯一いただけなかったのは喜久雄の老けメイクぐらいで(吉沢くんは渋谷栄一の時も老け顔がイマイチと思ってみていた、ごめん)あとは言う事無し。間違いなく今年を代表する一本だろうし、実際本作のヒットによって歌舞伎の公演にも新規の観客が増えているというのだから、こんなに喜ばしい相乗効果はないだろう。

 

監督:李 相日 2025年製作
出演:吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、寺島しのぶ、田中泯、高畑充希、永瀬正敏、
2025.6.10 鑑賞 @109シネマズ二子玉川

 

リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界

 モデル業から写真家マン・レイの助手となったことでカメラマンに転身、独立後には英国ヴォーグ誌でファッションカメラマンとして活躍するも、勃発した第二次世界大戦の従軍カメラマンとして戦地に帯同したリー・ミラーの人生を描いた作品。
 彼女のことで知っていたのはヒトラーの浴室で自ら撮った、映画のポスターにもそのシーンが採用されている写真ぐらいでこんなに華麗な経歴を持つ人とは知らなかった。戦場という厳しい環境で、戦いの現場の直ぐ側には共存せざるを得ない非戦闘員たる女性たちの姿がある。リーは「女性ならでは」(という言葉は安直に使いたくないけれど)の視点で被写体を見つめ、その作品は戦時下の女性ファッション誌に掲載された。劇中に登場した作品はさすがにマン・レイ直伝というかスタイリッシュなシュールレアリスムを感じさせるものもあるけれど、浮世を忘れられる夢をみせるファッション誌に同時に戦時下の現実を届けたことの意味は大きかっただろうし、載せた側も英断だったろう。残された作品からは現在の目で見ても説得力が感じられる。そんな彼女の豪快・数奇な経歴は自らの実力とそれをサポートしてくれる家族や仲間の後押しがあってこそではあったけれど、彼女自身も大きな犠牲を伴うものでもあったとも映画では語られる。それが逆に、無理もないよなと安心にすら思えたり。戦場で撮った多くの写真は彼女の死後まで、家族にも悟られることなく屋根裏部屋のボックスに封印されていたというオチも含めて。

 ちなみに「シビル・ウォー アメリカ最後の日」でキルスティン・ダンストが演じていた報道カメラマン、リーは彼女にちなんだ名前とはあとから知った。

原題:Lee 監督:エレン・クラス 2023年製作
出演:ケイト・ウィンスレット、アンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルト、マリオン・コティヤール

2025.5.20鑑賞 @TOHOシネマズシャンテ

映画の公開に合わせてなのかロンドン・テイト美術館では
現在もリー・ミラー展が開かれているようだ

www.tate.org.uk

aftersun / アフターサン

 

あの頃に見ていたパパの姿。
あの頃を振り返ってみたパパの姿。
幼い頃すごしたバカンスの思い出に
その時とは違う感情でぶつかったとき
どこに気持ちを持っていったらいいのか。
きっと戸惑い、落ち着くには時間もかかるだろう
あの時のパパと同じ年頃になるまでの歳月だって。

あの頃には見えなかったパパの痛み、
今のわたしにはみえるだろうか

 

探してしまうのも無粋なのだけど
気になって何度も何度も、振り返ってしまうのだ
でも、わからないでいいのだと思う

 

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原題:Aftersun 監督:シャーロット・ウェルズ 2022年製作
出演:ポール・メスカル、フランキー・コリオ

ザ・バイクライダーズ

1960年代を舞台にしたバイク乗り回顧モノ、
というだけの知識で見たのだけれど期待とちょっと違ったあっさりさ。
オースティンを愛でる映画と思っておけばよいのだろうか。サントラも。

 

原題:The Bikeriders 監督:ジェフ・ニコルズ 2023年製作
出演:オースティン・バトラー、ジョディ・カマー、トム・ハーディ