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映画、ときどきその他の鑑賞ログ

ナイロビの蜂

  ナイロビに滞在するイギリスの書記官ジャスティンの元に妻テッサの訃報が届く。二日ほど前に空港で見送った妻の姿。同行した黒人医師は依然行方不明、葬儀を済ませ自宅へ戻ると妻の書類、パソコン類は当局に押収されていた。それまでHIVに苦しむスラムの患者たちのために積極的な活動を行い、時にはジャスティンの政治的な立場さえ危うくしてしまうような激しい意見を物怖じせず周囲の人々に問うていたテッサ。そんな彼女のすることにジャスティンは何一つ不満を言わず、しかし周囲との間に出来るだけ波風がたたないよう事なかれ主義を貫き、趣味の庭いじりに逃げていた。テッサは自分の知らないところで何をしていたのか、彼女の身に一体何が起きたのか。やがでジャスティンは初めて自発的に事件の解明に乗り出していく。

 「世界は陰謀で出来ている」っていうのはどの作品のコピーだっけ。いくつかあったようにも思いますが、この作品もまた然り。石油だけでない人道援助にまで各国企業の利権が絡んでいるなんて世の中の腐敗、無情をつくづく憂いたくなってしまいます。本作は基本的には書記官の妻の死の謎に迫るサスペンススリラーであるんですが、その話の展開とスリリングさにはグイグイと引きつけられます。さすが『シティ・オブ・ゴッド』のメイレレス監督。

 とはいえ根底に流れているのは愛の物語。日本の宣伝コピー「地の果てで君に~」というのも悪くないとは思うけれど、やっぱ「love at any cost」どんな代償を払ってでも…というところがツボでした。物語の前半と後半できっちりと演じ分けているレイフがほんとにホントにレイフらしいうまい芝居をみせてくれます。テッサに対して不審を抱いた自分を恥じ入り悔やんでも悔やみきれないとジャスティンの心境がぐーーーっと変わっていく場面に(涙)。そして彼は行動の人となるのですが妻の愛に報い殉じる姿は心を打たれてしまいました。

レイチェル・ワイズはみていてなんとなく『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』のケイト・ウィンスレットを思い出したのですけれど、オスカー獲得も納得の芯の強い女性を演じていたと思います。

劇場公開されたら大きな画面でみたいし、その際加筆するかも。

The Constant Gardener 監督;フェルナンド・メイレレス 2005年製作
出演:レイフ・ファインズレイチェル・ワイズビル・ナイ、ピート・ポルスウェイト
DVD鑑賞