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映画、ときどきその他の鑑賞ログ

わが心のジミー・ディーン

 映画『ジャイアンツ』のロケが行われたマルファにほど近いひなびた町の小さなダイナー兼雑貨屋で、かつてハイスクール時代にジェームズ・ディーン・ファンクラブをつくっていた仲間たちが20年ぶりに同窓会を開くことになった。遠い街からこの日のために帰ってきた毒舌のステラと彼女の絶好の口撃の的になっている身重のエドナ、昔から豊満な胸が自慢で町の青年たちと浮名を流したけれど今は中東へ出稼ぎにいった夫を待っているシシー、クラブのリーダーで『ジャイアンツ』のエキストラに参加した際にジミーと一夜をともにし、その後彼の息子を産んだというモナの前に、スポーツカーを乗り付けてやってきたジョアンという謎の女性を加えて、彼女たちの現実がひとつずつ明らかになっていく。

 アルトマンの作品はどっちかというと男目線だと思うし、後期の作品に登場する女性の描写はところどころ苦手なものがあって、この人ってばきっと女嫌いなんじゃなかろうか思っちゃったりしていたんですが、登場人物がほとんど女性オンリーのこの作品も手厳しさを感じないことはないわけではありません。みんなの前で強気な発言を繰り返してはいじめっ子キャラなシシーやステラが半ばやけっぱちでみせた壊れそうな素顔、ジミーへの愛が本物だと信じてそこから抜け出すことを拒み続けてきたモナが実は周りからどう思われていたか知るくだり、あとジョアンの驚きの真実などなど随所にチクン、またはズキズキ感じるものが満載。けれど元が舞台というだけあってそれらしい台詞回しと展開に、ダイナーのミラーに映し出される回想シーンなど映画ならではのファンタジックな演出がうまくかみ合っていてとても印象的な作品でした。女優さんたちがさすが見せてくれます。最後のモナ、シシー、ジョアンがミラーに向かって歌い始めるノスタルジックな場面もとてもいい感じなんですが、カメラがふーっと動いてそれから時が流れ、乾いた風だけが耳に残る夢の名残的な雰囲気も忘れられません。

原題:Come Back to the Five and Dime Jimmy Dean, Jimmy Dean
監督:ロバート・アルトマン  1982年製作
出演:サンディ・デニス、シェール、カレン・ブラック、スーディ・ボンド、キャシー・ベイツ、マルタ・ヘフリン
PFF2007 はじめまして、アルトマン上映作品
2007.7.14~8.10