カンヌで上映されてこれって公開あるんだろうか?と時折思い出していた本作。原題にあるようにクストリッツァがみたマラドーナ的なドキュメンタリー。撮影には5年近くの歳月を要し、その間にも入院騒動やらなんやら起こしていたマラドーナ自身も今では代表監督だし。何が起こるかわからないもんです。
個人的にマラドーナはワールドユース大会の来日時からなんとなくおっかけていた人。のちに横浜の監督になるラモン・ディアスと一緒に写った写真が地元地方紙にも載ってたけどすごいすごいとあの頃からアルゼンチン代表の試合が放送されるたびにテレビで観てた。もちろんこの劇中何度も登場する「神の手」ゴールのW杯メキシコ大会もリアルタイム鑑賞。本当のことをいえばあのあとの5人抜きに大興奮して「神の手」のことはほとんど覚えてなかったんだけども。あのゴールは今こうやってみてもハンドは明らかだし、とりわけ騎士道のお国イングランドから非難囂々なのは当時からわかってたけど、映画できっぱり「ありゃマルビナスの報復」なんて言ってのけられるとやっぱりマラドーナってアホなんだろかと最初のうちは思ってしまう。でも意外と自分のポリシーがあって言動が頑として貫かれていることに気づいて、また意外と政治的にも動いてしまえるクレバーさも持ち合わせていることに軽く驚いた。すまん。
マラドーナ教の神前結婚やら(やっぱゴールインは手で決めなきゃーだめでしょ)洗礼場面にはひたすら笑い、そしてクストリッツァの家を訪ねる場面ではきょとんとした顔の町の人にめっちゃ笑顔を振る舞い、クラブでは自分の歌を熱唱し、街角のギターに耳を傾けるマラドーナの様子にも笑みがこぼれたけど、やっぱりやっぱマラドーナだって思ったのはクストリッツァとのボールの蹴り合いでみせた子どもみたいな笑顔。この人ってばやっぱり好きなんだなーって思った。クストリッツァの足さばきもたいしたもんだーとこれまた軽く驚いたのだけど。
そんなわけでクストリッツァ作品という面からはまったく観られなくってすみません。とはいっても基本的メインは人間マラドーナの姿を追ったドキュメンタリー。サッカー映画と思ってみるとちと違うと思うのでご注意を。
アンリのハンド? ちぃせえちいせぇ。ところで、弟のウーゴは元気なのかしら。
原題:Maradona by Kusturica 監督:エミール・クストリッツァ 2008年製作
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