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映画、ときどきその他の鑑賞ログ

激突!

  遠隔地の取引先へひとり営業に出た人のいいセールスマンが、ハイウェイで先を走る巨大なタンクローリーを追い抜いたばかりに執拗につきまとわれ、あからさまな挑発がやがては悪意から殺意を突きつけられることで決着をつけざるを得ない状況に追いつめられていく。

 たとえば電車に乗ってる時のいわゆる「お客様同士のトラブル」だったり、ほんの些細なことで大きなトラブルに発展してしまうケースは今の世の中しょっちゅうあるかもしれませんけれど、そんな身近な事件を描いた先駆け的作品といえばこれかもしれないですね(その後「煽り運転」はここ日本でも社会的大問題にもなっているし)。

 しかも相手の運転手の顔は明かされず、主人公が途中で休息に入ったダイナーで件のタンクローリーの運転手もそこにいることを知り、最初のうちこそ談判しようと思いつつも目にする人物すべてが相手に思えてくるという、これまた精神的に追い込まれる場面は、見ているこちらまで口の中がカラカラに乾いてくるような緊迫感を覚えます。

 あんなあたりに何もない荒野でこんなサイコなトラック野郎に遭遇するのはもちろん怖いけれど、些細な出来事が何かの糸を図らずも引っ張ることになってしまうかもしれないという身近にある不条理みたいなものを今なお強烈に感じられる作品。

 夏の暑い夜にゾーっとしたいときに、ご覧になってみるのもよいかも。余計汗かいちゃうかもしれませんが。

原題:Duel  監督:スティーヴン・スピルバーグ  1971年製作
出演:デニス・ウィーバー