cineLog

映画、ときどきその他の鑑賞ログ

アビエイター

 ハワード・ホークスについてはまったくお恥ずかしいことに映画界の人だけど飛行機に関係してた人らしくてとりあえずは大金持ちだったらしいくらいしか知らなくて、実際のところ何やさんなのかよく分かってなかったんですけれども、今でいうならクリエイターとか企業家みたいな便利な言葉があるからそんな括りなんでしょうか。それにしたってやる事デカい。金持っていて、しかも何につけても気になったらとことんやらないと気がすまないからどかすか大金つぎ込むわけですな。

 映画を見てて思ったのは技術にしても芸術にしてもいつの時代も水準を押し上げてきたのは道楽好きの大金持ちの功績が大きいんじゃないかということ。よいものはよいんだから失敗を恐れず好きなだけ画を描きなさいとか、とことん研究しなさいとか、部下が何か買い付けてきてそれが結果として採算取れなくても人の価値観はお金じゃ計れないしいい映画に対価は求めないみたいな理解を示したり(←ちょうどついこの間某社の人と某社の退任される社長の話が出た時にその方がこんな話をしてたときいて、観てる最中に思い出した)金は出すけど口は出さない普通のお金持ちのパトロン・タイプだったり、ハワードみたいに自分が納得するまで御自らやらない時がすまないタイプ。最も彼の場合には天才すぎて紙一重の部分があるわけですが。我々下々の人間はそんな恩恵にあずかっているんだなぁと別に卑屈になるつもりはないけどちょっと思ったりした。

 さて映画は思いっきり「大作映画」でした。SF娯楽映画とかじゃなくて久しぶりにおなかいっぱい「映画みたーっ」て気分になりました。描かれている世界が4〜50年代のハリウッドや航空機産業の黄金時代だし、ヘタにショボくてもガッカリ来るだろうけれどまさにふんだん・ゴージャスな雰囲気が醸し出されておりました。特に映画の描写場面はさすがに元祖シネフィル・スコセッシだけあって徹底して描かれていたように思います。ドラマのパートやハワード操縦する飛行機がビヴァリーヒルズに突っ込むなどアクションパートも迫力見所満載の金太郎飴状態に酔いました。正直作品賞か監督賞は上げるべきだったと思いますよ、アカデミー。

 役者陣もどの人とってもよかったしなんといってもレオくん頑張っただろー、これは。でもやっぱケイトにしてもアラン・アルダ扮する上院議員やらまたも貫禄でっぷりのアレック・ボールドウィンや すごいカワイイ(と個人的にはツボだった)気象学教授のイアン・ホルムにしてもそうですけれどそれらの人々に比べてみると決して演技としては見劣りしていないはずなのに万年青年というか、食われている、というより「若いのに背伸びして頑張ってる」ような印象を持たれてしまうのは損な気がします。とはいえわたしもいまだに「くん」よばわりしてるあたりがゴメンヨという感じですが。

 ケイトのキャサリン・ヘップバーンっぷりはお見事ではあったけれどちょっとお見事すぎた気も…でもあのスペンサー・トレイシーと出逢うリンゴの場面はストンっと落ち着くようないいシーンだったと思います。あと個人的にはNo Doubtのグエン・ステファニーのジーン・ハーロウにびっくり。…影の薄いダンナは元気なんだろうか。

そういえば見落としてしまったのかもしれないけれど、今回スコセッシってどこかにでてました?

三軒茶屋シネマ

原題:THE AVIATOR 監督:マーティン・スコセッシ 2004年製作
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・・ブランシェット、ジョン・C・ライリー、ケイト・ベッキンセイル