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映画、ときどきその他の鑑賞ログ

トゥモロー・ワールド

  なんかB級くさいタイトルと思いつつ、これは原作にあわせたのですよね(ノベライズではないですよね)。全編流れる終末的雰囲気が○。

 西暦2027年、世界的な内戦状態の悪化に加え、少子化が進み生殖能力の低下した人類にはもう何年も子供が誕生しておらず、このままでは絶滅の道をたどるしかない。そんな社会で身ごもった少女と彼女をプロジェクトの元へ届ける羽目になる男の物語。映画の中ではほとんど余計な説明がないのでわかりにくいところはあるんですが、それでもちょっとカルトなにおいのする雰囲気に引きつけられました。

 滅亡の道をたどるしかない中での抗戦に意味なんかあるわけないのに、おそらくはっきりしない大義の下に殺し合いを続ける人々。18年ぶりに誕生した赤ん坊の姿に神を見るような表情を浮かべてもその次の瞬間には繰り返される殺戮。そんな世の中に生まれてあの子は幸せなんだろうか、世の中の光になれるのかなとかいろんなこと考えながら見てしまった。小説で読んだらもっとおもしろそうです。

 世紀末的カオスな映像はおそらくそのまんまロケで使ったんじゃないのかというロンドンの薄暗い空になんといっても病んだ社会にマッチする60,70年代のプログレ! ゲルニカの絵の向かいの窓の外に広がるピンク・フロイドの「アニマルズ」の風景やら「クリムゾン・キングの宮殿」の使い方がここまではまってる映像見たのは個人的にはもしかして初めてかもしれません。

 そんなわけでどこか舌足らずな何か足りないような気がしないでもないけれど、もしかして完全版でもあったらとんでもないカルト超大作になりそうな、ひと言ではすまされないたぶんしばらく気にかかるであろう作品でした。絶対的ヒーロー然とした強さを発揮するでもないごく普通の巻き込まれ主人公C・オーウェンに好感を抱きました。

あの活動団体のキレまくってた若者が『フーリガン』のチャーリー・ハナムくんとは全く気づきませんでしたよ。ほかピーター・マランおじちゃんの顔も見えましたね。

原題:Children of Men 監督;アルフォンソ・キュアロン 2006年製作
出演:クライヴ・オーウェンマイケル・ケインジュリアン・ムーア